失 楽 園
「おい、結局あいつどうしたんだ?」
「どうしたんだって……
そんなの知らないわよ。
過呼吸の処置法なんて。
放置よ、放置」
姉さんは泣いていた。
必死で息をしながら。
「うえっ……はあ、
はあ、うぅっ、はあ…」
幼い僕はどうすることも出来ず。
僕は姉さんの頭を、そっと撫でた。
「だいじょうぶ?
おねえちゃん。
だいじょうぶ?」
「あ、うぅっ、ふぐっ、はあっ…
…」
突如姉さんの笑顔が、
フラッシュッバックした。
「恭ちゃん!」
思わず顔から手を離し、
僕は辺りを見回した。