失 楽 園
…――破片を拾い終わる頃には、
既に太陽はその姿を地平線の
向こう側に隠そうとしていて。
ずっと聞こえていた泣き声は止んでいた。
僕は小さく鼻歌を歌いながら、
寝室のドアを開ける。
ドアの先にある光景に、
思わず笑みが零れた。
無駄に大きなダブルベッドには、
愛しい彼女と、
可愛い宝物――…双子の子供たちの、
寝顔。
できる限り音をたてないように、
きしりとスプリングを軋ませて
ベッドに腰掛ける。
愛しさが込み上げてきて、
僕は子供たちの横に手をつき、
彼女の頬にキスを落とした。