失 楽 園




「私、しあわせだよ。恭ちゃん」

「……うん」

「だいすきだよ、恭ちゃん」

「……僕は愛してる」

「あははっ」


楽しそうに笑い、彼女ははあ、と
しあわせに満ちた溜息をついた。

その吐息さえも甘やかなものに感じ、
僕の体は雄の欲望に忠実に反応する。

彼女の艶やかな黒髪に口付け、
子供たちを踏まないように注意し、
僕は彼女に覆い被さった。

彼女はくすくすと笑う。


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