失 楽 園
┣関係が終わる日
彼女は散々泣きわめいて、
絶対に産むと言って聞かなかった。
僕は正直、
彼女と彼女の子供のことなんて、
どうでもよかった。
だって今彼女の腹に守られているのは、
元々は僕の排泄物だったモノだから。
「産みたいとか……
そんなの産んでどうするの?
育てられるわけでもあるまいし」
「学校も辞める!!
頑張って育てるから……。
別れてもいい!
お願い、産ませて……!」
「嫌だ。
頑張るとか頑張らないとか、
そう言う問題じゃないんだよ。
金なら渡すから、
とっとと堕(お)ろしな。
ガキが小さい内にね」
その時の彼女の顔と言ったら、
それは酷いものだった。