失 楽 園



「……そう。
 そんなに産みたいなら、いいよ。
 おいで」


僕がそう言って微笑み、
両手を広げて見せたら、
美花子は感激したように破顔し、
僕に抱き着いてきた。


「恭夜くん……!」

「そんなに産みたいなら、
 僕が壊してあげる」


彼女の顔は、
面白いくらいに青くなった。
僕はにっこり微笑んで、
彼女の下腹部に拳を打つ。

彼女は小さく呻いて、
地面に崩れ落ちた。


「なにがガキだよ。
 僕はそんなもの、いらない」


がつ、がつ、と
蹲(うずくま)った彼女の下腹部に、
蹴りを入れる。


< 27 / 187 >

この作品をシェア

pagetop