失 楽 園

┗姉さんを見た日




「……姉さん?」


道路を挟んだ向かい側の喫茶店。

そこには知らない男と、
姉さんがいた。

 全身の血が沸騰する。


「……ごめん」


隣りに立つオンナに別れを告げ、
僕は走り出す。
後ろでオンナが何か叫んでたけど、
そんなことどうでもいい。



姉さん、姉さん、それ、誰なの。

なんで姉さん、
そんなに楽しそうに笑ってるの。



姉さん!!


< 32 / 187 >

この作品をシェア

pagetop