失 楽 園
chapter5



まあ、その時は我慢したんだけど……
結局呼び出して、
そいつボコボコにしてやってさ。

面白いったら無かったよ。
あいつ、泣きながら土下座したんだ。


青年はくつくつと喉の奥で笑いながら、
口許に手をあてた。
禍々しささえも感じる
その純粋な狂気に、
潜在的な恐怖を呼び出される気がした。

 そして青年は話を続けた。

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