失 楽 園
chapte6
それから家に帰った後に、ね。
アームカットのことを
姉さんに問い詰めてみたんだ。
結局何も話さなくて、『ごめんなさい』
……それだけしか言わなかったけど。
でももう、限界だった。
僕も、姉さんも。
ああ、忘れていた。
姉さんその時、
びっくりすることを言ったんだよ。
『私が父さんと母さんに
愛されない理由なら、
わかってるから』
ってね。
不思議だった。
もし理由があるのなら、
それはなんだろう? って思った。
……まあ、その理由は、
意外すぎるほど簡単に
見つけてしまったんだけどね。
頬杖をつき、
青年は喋り疲れたのか溜息をついた。
私が休憩を取ろうか? と聞いたが、
彼は首を横に振った。