失 楽 園



僕はさながらオンナのように
両手で顔を覆い、
しあわせに満ちた吐息を吐き出した。

何回か深呼吸をし、
自身を落ち着かせてから、
僕は姉さんを見た。

淡い光に照らされた姉さんは、
目が眩むほどに綺麗だ。
左目を覆う白い包帯が、痛々しい。
頬にかかった絹糸のような
髪の毛をかきあげてやり、
その滑らかな頬を撫でてやる。

子供みたいにあどけない表情の
姉さんを見ていると、
とても穏やかな愛情が
僕の身体を満たすのを感じた。


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