失 楽 園



僕はその紙の上で羅列する文字を、
端から端まで隅々まで見た。


「…ああ……!」


感嘆の声が思わず漏れてしまう。

見つけた。



――…養子、の、文字……。



僕は興奮の余り
叫びそうになるのを必死で堪え、
その紙を元通りに折り畳み、
カバンに戻した。


姉さんの部屋を出て、
思わずドアに背をつけたまま、
ずるずると廊下に座り込んでしまった。

呼吸が浅い。

短く息をしながら、
僕は溢れ出る笑みを押さえられなかった。


「ああ……ははっ……姉さん……!」


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