失 楽 園
┣待ちわびた今日
僕はまず手袋をはめ、
深い眠りについた父さんと母さんを
ワインセラーに運んだ。
そこは地下だということもあり、
めったなことをしないかぎり
何をしているか近所からは
何もバレないからだ。
ワインセラーに運んでから、
無理矢理ふたりをイスに座らせ、
一切身動きが出来ないように
ロープできつく手足を縛った。
声も出せないように
布を口に詰め込み、
ガムテープで封をする。
そばでそれを見ていた姉さんは、
がくがくと震えていた。
僕は優しく姉さんの背中を撫で、
そっと囁く。
「あと数時間もしたら
目覚めるだろうから……
ディナーを再開しよう」