失 楽 園



僕はぐい、と母さんの傷んで
ごわごわした髪の毛を引っ張り、
耳元で囁く。


「なに?
 こんなことして、
 どうなるって言うの?
 ……お前たちのほうが、
 もっともっと酷いことを
 してきたくせに!!」


途中からは叫ぶようにして、
彼女の顔を石畳に叩き付けた。


「あぐ……うぅ…」


鼻からだけでなく、口からも流血した。
僕の頬に飛んだ血の飛沫を拭いながら
父さんを見ると、
父さんは明らかに怯えた目で
僕を見ていた。
僕はまた微笑んで母さんから手を離し、
今度は父さんの前に立つ。


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