失 楽 園
┣血みどろになる
血みどろになった姉さんを連れだし、
バスルームに連れて行く。
「血、流さなきゃ……姉さん」
コックをひねり、
熱い湯がシャワーヘッドから
吹き出したのを確認し、
僕は血で身体に
ぴったりはりついた
シャツを風呂場の床に脱ぎ捨てた。
姉さんの白いワンピースは、
赤い布なのではないか、と
いうくらいに血に染まっている。
「……自分で流せるね?」
湯船のふちに座った姉さんの肩を撫で、
僕はバスルームを後にしようとした。
が、僕の腕を掴んだ姉さんが、
それを許さない。
「……姉さん?」