失 楽 園



「恭ちゃん……恭、ちゃん…」


姉さんの僕を呼ぶ声が、
僕の脳内を侵していく。
姉さんは僕にされるがままで、
ただ僕の肩に顔を埋めて
くぐもった声を漏らすだけだった。

熱いお湯に降られながら、
僕らは生まれたままの姿になる。

 これまでにないくらい、興奮していた。


「姉さん…姉さん……」


無我夢中で姉さんを呼び、
姉さんの全てを求める。


「恭、ちゃ……っ」


蜜を湛えて開きかけた蕾を掻き回す。


「ちがう……姉さん、ちがうよ…
 恭夜……」



嗚呼、胸が、焼け焦げる。



焦がれて焦がれて、
愛した姉さんは確かに今、
僕だけのモノ。


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