失 楽 園
chapter10
嬉しかった。
姉さんは何も言わずに
僕を受け入れてくれたんだ……。
青年はまた溜息をついた。
段々と溜息の回数が増えて来ている。
これ以上の会話は青年を
精神的に衰弱させるとして、
私は会話の終了を青年に告げた。
青年はそう、と一言だけ呟き、
それから言った。
……また、明日。
青年の言葉に、私ははっきりと頷いた。