アイシテル〜君と私の180日

蒼空が帰ってしまったら、きっともう会えなくなる


私は慌ててドアを開ける寸前の蒼空に話しかけた


「蒼空さん…」


「ん?」


蒼空が振り返り私の顔を眺めた


「あの…」


「何か用事?」


「私…蒼空さんのこと…あっ、大ファンです今日は会えて嬉しかったです」




「ありがとう、君は俺のファン1号だよ、これあげるタネと仕掛けがあるから探してみて」


そう言ってトランプを私に差し出した


「タネと仕掛け…?」


私はトランプの箱を眺め少し考え込んでいると蒼空はフッと笑って


「きっと、わからないと思うな…じゃあね楓花ちゃん」


蒼空は覚えたての私の名前を呼んでくれた

それだけで舞い上がってしまう



「蒼空さん、こんな大事なもの…嬉しいです
ありがとうございます」


蒼空は“うん"と頷き


足早に帰って行った



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