臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
「でもあいつ、前からヤル気はあるよな。練習も早く出てるしさ」

「そうそう、それに健太の冗談で微妙に笑うんだぜ」

「へぇ、それって見てみたいかも」


「私抜きで盛り上がっている所を邪魔して悪いんだけど、そろそろ戻らないと怒られるよ」

 亜樹が不機嫌なフリをして三人に言った。


「ゴメンね。亜樹さんには、ホント感謝してるから。亜樹は中学の時も、トップクラスの成績だったのよね」

「綾香、おだてても無駄よ。ここの図書館のオバサンは怒ると怖いんだから。さ、戻ろ」


 四人は柔らか目のソファーから重い腰をあげ、勉強机に戻っていった。

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