臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 期末テストが終了した。

 康平は、亜樹のおかげで中間テストよりも成績が上がったようだ。

 今回も白鳥が断トツの成績だったが、元々存在感の薄い彼は中間テストの時より騒がれなかった。


 それから一週間後、国体県予選があった。

 清水は、前の大会で右拳を骨折したので出場出来ず、今回は五人の先輩が出場する。

 清水が抜けた分、相沢がライト級へ階級を上げた。そして大崎は何と二階級上のバンタム級に出場した。

 この二人は決勝戦まで勝ち残ったが、共に青葉台高校の三年生に敗れていた。

 森谷は準決勝で敗退したが、石山て兵藤の二人は、圧倒的な強さで優勝した。

 ライトフライ級の黒木琢磨も優勝だった。


 裕也は今の大会に何故か出ていない。

 大会当日、康平と健太は裕也と話す機会があった。詳しい事は聞けなかったが、フォーム改造の為らしかった。


 大会前の梅田は上級生の指導に忙しく、あまり見て貰えなかった康平達は、ある意味平和な日々を送っていた。
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