臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 梅田が全員に言った。

「全員、ヘッドギアとマッピとグローブを付けろ」

 四人は慣れない手つきで用意する。

 康平と有馬は緊張していたのか、グローブから先に付けてしまった。

「アホ! それじゃぁヘッドギア付けらんねぇだろ」

 梅田は苦笑しながら、二人にヘッドギアを付けていた。

 こうして全員用意が出来ていった。


「これから形式練習を始める。それは、打つパンチを決めて防御する練習だ。細かい事は面倒だから、やりながら教えるぞ」

 有馬と白鳥、康平と健太がコンビを組む。

 梅田が康平と健太に言った。

「高田、ジャブを一発片桐に打ってみろ。顔だったらどこでもいいぞ。それを片桐が防御する。今はブロックして守れ」

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