臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 康平達は、赤い顔のままで愛想良く話す梅田を、吹き出しそうになる程可笑しくなったが、笑える状態ではない。

 ただ、ほんの少しだがリラックス出来たようだ。


 その後一年生達は、ワンツーストレートも含めた形式練習を続けていった。


 練習が終わり、梅田が一年生達に言った。

「恐怖の中でのリラックスは難しいんだ。お前らも短絡的にならないで、慣れるまで根気強く身につけろ」


 四人は、自分の事を棚に上げている梅田の言葉に物凄い抵抗を感じながらも、大きく返事をした。

< 116 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop