臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
康平は、健太と綾香の事が気になり出した。
図書館で一緒に勉強して以来、健太から彼女の事は何も聞いていない。
「はじめ!」
ストップウォッチを持った梅田が、ゴング代わりの号令を出す。
健太のパンチを、作業でもするかのように漠然とブロックした康平は、顔面に衝撃が走った。
鼻がツーンとして涙目になる。
健太の左ストレートを鼻に貰ったのだ。打った健太も驚いた。
「バカヤロー! 高田、形式練習でボーッとしてんじゃねぇよ!」
何日かぶりに梅田の罵声を浴びた康平は、鼻血が止まらない。
「康平、大丈夫か?」
「構うな片桐。ボクシングは打たれる奴が悪いんだよ。……高田、オメェ保健室寄ってもう帰れ」
康平は、上を向きながら鼻を摘まむという情けない格好で保健室へ向かった。
保健室へ着いた康平だったが、保健医はいないようで鍵が掛かっていた。
図書館で一緒に勉強して以来、健太から彼女の事は何も聞いていない。
「はじめ!」
ストップウォッチを持った梅田が、ゴング代わりの号令を出す。
健太のパンチを、作業でもするかのように漠然とブロックした康平は、顔面に衝撃が走った。
鼻がツーンとして涙目になる。
健太の左ストレートを鼻に貰ったのだ。打った健太も驚いた。
「バカヤロー! 高田、形式練習でボーッとしてんじゃねぇよ!」
何日かぶりに梅田の罵声を浴びた康平は、鼻血が止まらない。
「康平、大丈夫か?」
「構うな片桐。ボクシングは打たれる奴が悪いんだよ。……高田、オメェ保健室寄ってもう帰れ」
康平は、上を向きながら鼻を摘まむという情けない格好で保健室へ向かった。
保健室へ着いた康平だったが、保健医はいないようで鍵が掛かっていた。