臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
新しいパンチ
夏休み二日目の午後三時。今この瞬間、学校の敷地の中で活気があるのはボクシング場だけであった。
午前中に他の部は練習を終わらせているから、当然と言えば当然である。
今まで一年生だけが練習する時は、二人の先生の内、片方だけだったのだが、昨日から梅田と飯島が揃っていた。
一年生達は、この日の練習もキツくなるだろうと思っていた。練習前の更衣室では、四人共少し暗い表情だ。
更衣室は、練習場の向かいの部室である。そこでは練習が終わった先輩達と、これから練習を始める一年生達がそれぞれ着替えているので大混雑だ。
一年生達を見て三年の兵藤が言った。
「お前ら、クレェ顔してんなぁ」
「……はい。今日も先生が二人いるので、中身の濃い有意義な練習になりそうな気がしますんで」
健太が答えた。
「ハハハ。確かにそうかもな。……けど俺が一年の時、この時期から部活が面白くなってきたぞ」
キャプテンの石山も話に加わった。
「そうそう、俺も夏休み前までは、ここをいつ辞めてやろうかって毎日思ってたけどな」
午前中に他の部は練習を終わらせているから、当然と言えば当然である。
今まで一年生だけが練習する時は、二人の先生の内、片方だけだったのだが、昨日から梅田と飯島が揃っていた。
一年生達は、この日の練習もキツくなるだろうと思っていた。練習前の更衣室では、四人共少し暗い表情だ。
更衣室は、練習場の向かいの部室である。そこでは練習が終わった先輩達と、これから練習を始める一年生達がそれぞれ着替えているので大混雑だ。
一年生達を見て三年の兵藤が言った。
「お前ら、クレェ顔してんなぁ」
「……はい。今日も先生が二人いるので、中身の濃い有意義な練習になりそうな気がしますんで」
健太が答えた。
「ハハハ。確かにそうかもな。……けど俺が一年の時、この時期から部活が面白くなってきたぞ」
キャプテンの石山も話に加わった。
「そうそう、俺も夏休み前までは、ここをいつ辞めてやろうかって毎日思ってたけどな」