臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 夏休みも四日目になった。康平は学校近くの図書館に向かっていた。

 康平の気持ちはかなり重い。何故なら昨日図書館で亜樹と待ち合わせていたのを、康平がすっぽかしたからだ。

 理由は寝坊である。昨日は、ある事情で朝四時に起きてジョギングをした。

 ある事情の説明は、前述したのでここでは説明しない。幸い、家の近くの公園を誰にも会わずに横切る事ができたのだが、安堵のせいか昼十二時まで眠ってしまった。

 亜樹との待ち合わせは午前十時、それも約束したのは康平である。

 慌ててクラスの連絡網を見ながら亜樹の家に電話をしたが、誰も出ない。

 せめて誠意だけは見せようと、十三時に待ち合わせの図書館に着いたが、亜樹らしい姿はどこにもいなかった。


 康平は夜に電話をしようとした。だが、この日電話は妹と母親に占領されていた。待っているうちに康平は眠ってしまった。

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