臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
康平は沈んだ気持ちで図書館に着いた。不思議と亜樹は怒った様子でもなく、ロビーに立っていた。
亜樹が先に口を開く。
「おはよう! 昨日は寝坊でもしたのかな?」
「……ホント、ゴメンな」
「まぁいいよ。家に電話来てたみたいだし、それと昼過ぎには図書館へ来て私を探したようだしね」
「え、何で知ってんの?」
「お姉様は全てお見通しなの」
「…………」
沈黙する康平に亜樹が笑いながら言った。
「……ぷっ、嘘よ。ここの図書館のオバサンが話してくれたの。あのオバサンを甘く見ない方がいいよ。一度見た顔は絶対忘れないし、君が昨日私を探した後に、歴史のマンガばっかり見てた事まで教えてくれたんだからね」
「げっ、マジかよ! コェーな」
「謝罪会見はこれで終わりね。今日から夏休みの宿題を一週間で片付けるからね」
すっぽかしを許してもらったばかりの康平に反論する権利はなく、彼は腹を括って勉強机に歩いていった。
亜樹が先に口を開く。
「おはよう! 昨日は寝坊でもしたのかな?」
「……ホント、ゴメンな」
「まぁいいよ。家に電話来てたみたいだし、それと昼過ぎには図書館へ来て私を探したようだしね」
「え、何で知ってんの?」
「お姉様は全てお見通しなの」
「…………」
沈黙する康平に亜樹が笑いながら言った。
「……ぷっ、嘘よ。ここの図書館のオバサンが話してくれたの。あのオバサンを甘く見ない方がいいよ。一度見た顔は絶対忘れないし、君が昨日私を探した後に、歴史のマンガばっかり見てた事まで教えてくれたんだからね」
「げっ、マジかよ! コェーな」
「謝罪会見はこれで終わりね。今日から夏休みの宿題を一週間で片付けるからね」
すっぽかしを許してもらったばかりの康平に反論する権利はなく、彼は腹を括って勉強机に歩いていった。