臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
図書館での勉強を終えた康平は、少し休んでから部活に向かった。
図書館から学校まで歩いている間、康平は勉強と部活だけの自分の夏休みを思い、一瞬悲しくなった。だがすぐに取り消した。
去年までのグータラな夏休みを懐かしむ気持ちが無いでもないが、やはり女の子の存在は大きい。しかも亜樹はカッコイイ系の美人である。
第三者がいる時は毒舌が多くなるが、二人の時は意外に優しい。
康平は、少し浮かれた気分で学校へ歩いていった。
練習場に着いて梅田の顔を見た途端、康平の浮かれた気持ちはすぐに現実へ引き戻された。
その時康平は、あの恐い顔を一種の才能のように感じた。
練習を始める前に梅田が言った。
「今日は前の手のアッパーとボディーブローを教えるぞ! 全員鏡の前に並べ」
アッパーとは下から突き上げるパンチで、ボディーブローは相手の腹部を狙うパンチである。
図書館から学校まで歩いている間、康平は勉強と部活だけの自分の夏休みを思い、一瞬悲しくなった。だがすぐに取り消した。
去年までのグータラな夏休みを懐かしむ気持ちが無いでもないが、やはり女の子の存在は大きい。しかも亜樹はカッコイイ系の美人である。
第三者がいる時は毒舌が多くなるが、二人の時は意外に優しい。
康平は、少し浮かれた気分で学校へ歩いていった。
練習場に着いて梅田の顔を見た途端、康平の浮かれた気持ちはすぐに現実へ引き戻された。
その時康平は、あの恐い顔を一種の才能のように感じた。
練習を始める前に梅田が言った。
「今日は前の手のアッパーとボディーブローを教えるぞ! 全員鏡の前に並べ」
アッパーとは下から突き上げるパンチで、ボディーブローは相手の腹部を狙うパンチである。