臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 一年生達、特に有馬と健太はガッカリした顔で聞いていた。

 康平自身は、悔しさで、もっと練習したい気持ちになっていた。


「高田、チョット来い」

 梅田は着替えようとする康平を呼び止めた。

「ボクシングはな、確かに怖いが怯えたら終わりなんだよ。リングじゃ誰も助けてくんねぇからな。……悔しかったら、ションベンちびってもいいからパンチを出すんだ! 分かったな?」


 康平は、大きな声ではなかったが心の底から返事をした。

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