臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
「それに何かあるんスか?」有馬が訊いた。
山本は少し考えた様子だったが、再び話し出した。
「……今のアマチュアルールだと、ジャブはポイントにならないんだよ」
「え、そうなんスか?」
「北京オリンビックの頃からアマチュアの採点基準が変わって、今は強いパンチだけがポイントになるんだよ。……その頃からフェザー級も無くなったしな」
内海が四人に訊いた。
「オメェら、アマチュアルールって知ってるよな」
「はい。パンチの当たった数の多い方が勝つんですよね」健太が答えた。
「前は軽いパンチでも当たればポイントだったのさ。変な言い方をすれば、タッチゲームみたいな部分もあったんだ。でも今は本当に殴らなきゃ駄目になったんだよ。……大変になったもんだぜ」
内海は、言葉と裏腹に嬉しそうな顔で言った。
山本が苦笑した。
「俊也(内海)、みんな引いてるぞ! ……ただ永山高校、梅ッチと飯島ちゃんは昔から倒すボクシングを教えていたからな。お前らにとっては何も変わらないって訳だ」
山本は少し考えた様子だったが、再び話し出した。
「……今のアマチュアルールだと、ジャブはポイントにならないんだよ」
「え、そうなんスか?」
「北京オリンビックの頃からアマチュアの採点基準が変わって、今は強いパンチだけがポイントになるんだよ。……その頃からフェザー級も無くなったしな」
内海が四人に訊いた。
「オメェら、アマチュアルールって知ってるよな」
「はい。パンチの当たった数の多い方が勝つんですよね」健太が答えた。
「前は軽いパンチでも当たればポイントだったのさ。変な言い方をすれば、タッチゲームみたいな部分もあったんだ。でも今は本当に殴らなきゃ駄目になったんだよ。……大変になったもんだぜ」
内海は、言葉と裏腹に嬉しそうな顔で言った。
山本が苦笑した。
「俊也(内海)、みんな引いてるぞ! ……ただ永山高校、梅ッチと飯島ちゃんは昔から倒すボクシングを教えていたからな。お前らにとっては何も変わらないって訳だ」