臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
「まぁな! コイツらの体つきを見りゃあ想像つくと思うぜ。……まだ鍛え方が足んねぇけどな」
藤枝の左側の男が清水に訊いた。
「俊也さんて、あの内海俊也さんですよね?」
「そうだ。俊也さんは昔、リング以外でも暴れてたから有名なんだよな。……綾香ちゃん、何か言いたそうだけどどうした?」
「……いえ、ただ兄貴の悪名がまだ伝わってるんだって思うと恥ずかしいです」
「まぁそう言うなって。俺もお世話になったんだからよ。俺らは、これからナンパしに行くからさ。……この藤枝は性格ワリィけど、女ウケのいい顔してっからな。コイツをダシにしてナンパするつもりさ。まぁ、亜樹ちゃんや綾香ちゃんクラスの高望みは出来ねぇけどな」
清水はそう言った後、ガニ股で肩を揺らしながら歩いていった。赤い派手なアロハシャツとステテコのような白い半ズボンが、なぜかよく似合っていた。
康平と健太は「頑張って下さい」と、神妙な顔付きで清水を送り出していた。
藤枝の左側の男が清水に訊いた。
「俊也さんて、あの内海俊也さんですよね?」
「そうだ。俊也さんは昔、リング以外でも暴れてたから有名なんだよな。……綾香ちゃん、何か言いたそうだけどどうした?」
「……いえ、ただ兄貴の悪名がまだ伝わってるんだって思うと恥ずかしいです」
「まぁそう言うなって。俺もお世話になったんだからよ。俺らは、これからナンパしに行くからさ。……この藤枝は性格ワリィけど、女ウケのいい顔してっからな。コイツをダシにしてナンパするつもりさ。まぁ、亜樹ちゃんや綾香ちゃんクラスの高望みは出来ねぇけどな」
清水はそう言った後、ガニ股で肩を揺らしながら歩いていった。赤い派手なアロハシャツとステテコのような白い半ズボンが、なぜかよく似合っていた。
康平と健太は「頑張って下さい」と、神妙な顔付きで清水を送り出していた。