臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
「俺は、いつだって強い方の味方だからさ」
「何か引っ掛かるような言い方ね」
複雑な表情をした亜樹に、綾香が笑って話す。
「こういう時こそ、オバサン達を見習ってポジティブに考えた方がいいかもよ。……ゲーセンに着いたしプリクラ撮ろうよ。お気に入りのがあるんだ」
康平と健太は、亜樹達に付き合ってプリクラやクレーンゲームをやっていた。
帰り際は亜樹と綾香の浮かない顔も、心なしか消えているようだった。
ゲームセンターから家へ帰った康平に、妹の真緒がパタパタとスリッパの音を立てて走ってきた。
「兄貴大変だよ! 今、山口さんて女の人から電話がきてるよ。凄い落ち着いた感じの声だったけど、一体どうしちゃったの?」
「わぁーったから、今行くからよ……! アホ、今の声マルギコエじゃねぇか?」
真緒は慌てて受話器を外したままにしていたのだ。
笑いながら謝るポーズをする妹を、手で追い払った康平が受話器を取った。
「何か引っ掛かるような言い方ね」
複雑な表情をした亜樹に、綾香が笑って話す。
「こういう時こそ、オバサン達を見習ってポジティブに考えた方がいいかもよ。……ゲーセンに着いたしプリクラ撮ろうよ。お気に入りのがあるんだ」
康平と健太は、亜樹達に付き合ってプリクラやクレーンゲームをやっていた。
帰り際は亜樹と綾香の浮かない顔も、心なしか消えているようだった。
ゲームセンターから家へ帰った康平に、妹の真緒がパタパタとスリッパの音を立てて走ってきた。
「兄貴大変だよ! 今、山口さんて女の人から電話がきてるよ。凄い落ち着いた感じの声だったけど、一体どうしちゃったの?」
「わぁーったから、今行くからよ……! アホ、今の声マルギコエじゃねぇか?」
真緒は慌てて受話器を外したままにしていたのだ。
笑いながら謝るポーズをする妹を、手で追い払った康平が受話器を取った。