臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
奥手な性格の為か、人生イコール彼女いない歴の康平だったが、異性には常に興味があった。
彼は中学で卓球部に所属していたが、実績もなく、一日サボッてもバレない位の存在だった。これは健太も同様である。
高校へ入ったら、何かに打ち込みたい気持ちも彼にはあった。
入部してから二週間は仮入部として扱われ、いつでも辞めていいという話を聞いていた事もあり、彼はボクシング部へ入る事にした。
次の日の夕方、康平は学校のボクシング場に行った。そこは、プレハブで造られた小さな建物である。
入り口の扉で健太とかち合う。
しばらく二人共黙っていたが、先に健太が口を開いた。
「なんだ、お前もやるの?」
「あぁ、ちょっと思うところがあってな。……マネージャー可愛いからだけじゃねえぞ」
健太がプッと吹き出した。
「俺はマネージャーの事なんか訊いてねえよ。……まぁ俺も、入部する理由の半分はそれなんだけどな」
「どうせ仮入部だしな。……行こうぜ」
康平がそう言うと、健太が頷いて扉を開いた。
彼は中学で卓球部に所属していたが、実績もなく、一日サボッてもバレない位の存在だった。これは健太も同様である。
高校へ入ったら、何かに打ち込みたい気持ちも彼にはあった。
入部してから二週間は仮入部として扱われ、いつでも辞めていいという話を聞いていた事もあり、彼はボクシング部へ入る事にした。
次の日の夕方、康平は学校のボクシング場に行った。そこは、プレハブで造られた小さな建物である。
入り口の扉で健太とかち合う。
しばらく二人共黙っていたが、先に健太が口を開いた。
「なんだ、お前もやるの?」
「あぁ、ちょっと思うところがあってな。……マネージャー可愛いからだけじゃねえぞ」
健太がプッと吹き出した。
「俺はマネージャーの事なんか訊いてねえよ。……まぁ俺も、入部する理由の半分はそれなんだけどな」
「どうせ仮入部だしな。……行こうぜ」
康平がそう言うと、健太が頷いて扉を開いた。