臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 数日後、左右のパンチを習った一年生達に、練習メニューが組まれた。

柔軟体操

縄跳び 二R

シャドーボクシング

構え 二R

ジャブ 二R

ストレート 二R

左右パンチ 三R

サンドバッグ 三R

左右ストレートのシャドーボクシング 一R

筋トレ

ゆっくりシャドーボクシング 二R

柔軟体操

という内容だ。

 新たにサンドバッグ打ちがあるが、その時は不思議と梅田のフォームチェックは無い。よほどサンドバッグに体を預けて打ったり、顎が極端に上がっている場合でなければ何も言われない。

 フォームが悪くても、サンドバッグをガンガン打たせて筋肉を付けさせる方針のようだ。

 筋肉が付かなければ正しいフォームで打つことも出来ないというのが、梅田の持論らしい。

 練習後に梅田は一年生全員に言った。

「これからパンチを打つ軸が固まるまで、この練習メニューが続くからな」

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