臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 練習場を出た康平と健太は走り、先に出ている有馬と白鳥に追い付いた。

「テスト休みが無いって有り得ねえだろ」

「学校は学業が本分だよな」

「ボクシング部を優遇するんだったら、俺達の問題だけ簡単にすればいいんじゃねぇか」

 白鳥を除く三人は口々に言いたい事を言った。

 しかし、陰で罵ってもテスト休みがない事に変わりはなく、ボクシング部員達は過酷な中間テストを迎える事になる。

 康平と健太も、勉強かどうかは本人達にしか分からないが、テスト休みに予定していた計画が全て潰れてしまった。二人は仕方なく、その週の土曜日からテスト勉強を始める事にした。

< 34 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop