臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
「お願いします!」
それぞれ大声で挨拶をし、深々と頭を下げてから練習場に入る。狭い空間の為か、挨拶の声が練習場全体に響く。
部紹介に出ていた男子は次々と入ったが、女子はまだ一人も入っていない。
男子の六人目が入った時に梅田が言った。
「全員揃ったな。今年は仮入部が四人か。分かっていると思うが、うちは学校の中で一番厳しい部活だ。練習を始めるぞ」
(部紹介の女の子達は一体?)
康平と健太は顔を見合わせた。健太が緊張しながら梅田に質問する。
「先生、部紹介の時は十二人いましたけど……」
梅田は、何事も無かったように答えた。
「あれは、ボクシング部は人数が少なくて寂しいから、他から借りてきただけだ。何か問題でもあるのか?」
「……いいえ、ないです」
「今日は何もさせないから練習を見てろ。……帰りたい時は帰っていいぞ」
がっかりした康平と健太だったが、すぐに帰れるような雰囲気ではなかった為、二人はしばらく練習を見る事にした。
それぞれ大声で挨拶をし、深々と頭を下げてから練習場に入る。狭い空間の為か、挨拶の声が練習場全体に響く。
部紹介に出ていた男子は次々と入ったが、女子はまだ一人も入っていない。
男子の六人目が入った時に梅田が言った。
「全員揃ったな。今年は仮入部が四人か。分かっていると思うが、うちは学校の中で一番厳しい部活だ。練習を始めるぞ」
(部紹介の女の子達は一体?)
康平と健太は顔を見合わせた。健太が緊張しながら梅田に質問する。
「先生、部紹介の時は十二人いましたけど……」
梅田は、何事も無かったように答えた。
「あれは、ボクシング部は人数が少なくて寂しいから、他から借りてきただけだ。何か問題でもあるのか?」
「……いいえ、ないです」
「今日は何もさせないから練習を見てろ。……帰りたい時は帰っていいぞ」
がっかりした康平と健太だったが、すぐに帰れるような雰囲気ではなかった為、二人はしばらく練習を見る事にした。