臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
翌日の土曜日。インターハイ県予選は準決勝まで進んでいた。場所は県立青葉台高校の体育館だ。裕也のいる学校である。
前日の試合でも永山高校の先輩達は殆ど勝ち残っていたが、ライトフライ級(四十九キロ以下)の大崎は負けていた。
彼は、普段の体重が五十四キロ位あるのを減量していたので、疲れがあったかも知れないが、相手は黒木という一年生だった。
(どんな奴だろう)
健太と有馬は、そう思って黒木を探しにいこうとした時、大崎が二人を止めた。
「お前らそんな暇ないぞ! もうすぐ石山先輩の試合だからな。応援にまわるぞ」
高校生の試合は二分三ラウンドと短い。そして安全を考慮してか、試合を止めるのが比較的早い。次から次へと試合が入れ替わっていく。
次の試合は、フライ級(五十二キロ以下)の石山だった。彼は赤コーナー側から試合に出る事になっていた。
応援する為、赤コーナーの後ろの方へ歩く一年生達に大崎がアドバイスをした。
「いいかぁ、野次は絶対禁止だぞ! 退場させられるからな。先輩達のパンチが当たったら、ブロックの上でもいいから歓声を上げろ。すると選手は調子が上がっていくからな」
前日の試合でも永山高校の先輩達は殆ど勝ち残っていたが、ライトフライ級(四十九キロ以下)の大崎は負けていた。
彼は、普段の体重が五十四キロ位あるのを減量していたので、疲れがあったかも知れないが、相手は黒木という一年生だった。
(どんな奴だろう)
健太と有馬は、そう思って黒木を探しにいこうとした時、大崎が二人を止めた。
「お前らそんな暇ないぞ! もうすぐ石山先輩の試合だからな。応援にまわるぞ」
高校生の試合は二分三ラウンドと短い。そして安全を考慮してか、試合を止めるのが比較的早い。次から次へと試合が入れ替わっていく。
次の試合は、フライ級(五十二キロ以下)の石山だった。彼は赤コーナー側から試合に出る事になっていた。
応援する為、赤コーナーの後ろの方へ歩く一年生達に大崎がアドバイスをした。
「いいかぁ、野次は絶対禁止だぞ! 退場させられるからな。先輩達のパンチが当たったら、ブロックの上でもいいから歓声を上げろ。すると選手は調子が上がっていくからな」