臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
「亜樹こそ何しに来たんだんだよ?」

「勉強に決まっているでしょ! それに私の家この近くなんだ」

「……へぇ、そうなんだ」

「たしか君は電車通学だよね。わざわざここまで何しに来たのかな?」

「べ、勉強に決まってんだろ」

「またまたご冗談を。ここへマンガを読みに来たんでしょ?」

 亜樹がクスリと笑った。


「一応数学はやってるぜ。……二問だけなんだけどさ」

「確かに二問は頑張ったようだけど、解答は残念な結果みたい」


 康平は苦笑した。

「……康平はブルーっぽいから今勉強してもはかどらないよ」

「そ、そんな事は無いさ」

「自分で言うのも何だけど、私って結構勘がいいんだ。……他人に話すとスッキリする時ってあるからさぁ、無理にとは言わないけど相談に乗ってあげるよ」

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