臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
 その事は健太自身も薄々感じていた。

 康平も健太の応援をしたいが女子のネットワークには乏しく、彼自身も女子に勇猛果敢なタイプではないので、見守ってやるしか出来ない分野だった。


 健太は康平の表情を見て故意に話題を変えた。

「康平の一時間目は何をするんだ?」

「体育だよ……!」

 康平は、今日の朝から走った事を後悔した。

 この日の体育は、タイムを計る長距離走だったからである。

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