臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)
「そんな事はないよ。私、中学二年でバスケ辞めたけど部活自体は楽しかったのよねぇ。今は自分で決めた事だけど勉強漬けでしょ! 気が滅入った時はバスケ部の練習を見て、頭の中で青春を謳歌させてるってワケ!」


 亜樹は更に話を続けた。

「それでも少し寂しい気持ちにはなるのよね。……そんな時、君達が梅田先生にシゴかれている所を見たんだ」

「俺達情けなかったろ?」

「そんな事ないよ。逆に凄い勇気を貰ったんだ」

「ウッソでぇ」

「ホントだよ! テスト休みも貰えず毎日あんなに怒られながら頭を叩かれて、私より灰色な青春をおくっている人もいるんだなぁって思ったら、また勉強を頑張る気になったのよね」

「それは、よぉござんしたねぇ」


 亜樹が話題を変えた。

「テスト休みが無いって言えば、君今回の期末ヤバくない? この一週間授業中眠っている時が多いよ」

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