十AngelCross十
3. 3人の噂
学校につくと
ほとんどの生徒が揃っていた。

ヘッドホンで音楽を聴くもの
お菓子を食べるもの
本を読むもの

そして、大抵がグループで集まり
楽しそうに話していた。

そして俺にも転校初日から話しかけてくれる
友達がいた。

『ルイおっはよ~!』

『いたいよ拓也(たつや)!』

『ごめんごめん。』

こいつが滝野拓也。
俺に話しかけてくれる物好きなやつだ。
凄く明るいお喋りなやつで
一緒にいると楽しい。

前いた学校はお堅いやつばっかりで
家柄や上下関係がつよく
いるだけで息がつまりそうだった。

『お前転校生だったよな?』

高身長な男が話しかけて来た。

たしか…

『なんだよ、流季(るき)。ルイは男だぞ?


『解ってるわ!』

『流季(るき)が女意外にも興味もつの珍しいから。』

流季は右頬を軽く膨らませ、綺麗にセットされた自分の髪を触った。

俺はとりあえず口を開いた。

『うん、転校生だよ。』

流季がこっちを見た。

『もしかしてお前、あの屋敷の?』

“屋敷”

俺は一瞬ビクッとした。

『いやな、夏休み中あの屋敷から出てくる転校生らしきやつを見たってやつがいるんだよ。』

ヤバい

ばれたくない

ルイはそう思った。

普通の生活がしたくて来たこの学校。
もう友達にも大人達にも特別扱いをされたくない。
憎まれたくもない。
危ないめにもあいたくない。

普通に暮らしたい。

『え、黙ったってことはマジな…』

『ち…』

『んなわけないじゃ~ん!』

俺より先に拓也が口を開いた。

『あのお屋敷には有名なメガ博士がすんでるんだろ?超金持ちで国内3位。そんな金持ちがこんな学校にくるわけ。な?ルイ?』

『え、うん。』

ルイは気づかれていないのだと安心した。

『そうだよな~、別にいいんだけどさ~、前に屋敷で同い年くらいの超可愛い子見たんだよね~』

『可愛い子?』

ルイの頭に?がよぎった。
そしてそれはロボットであると予想した。

あの屋敷には執事含め、ロボット意外に
女性はいないのである。

『全く、流季はそればっかり。ルイ、こんなやつ相手にしなくていい。馬鹿がうつる。』

『何ぃー、女に興味ないお前のが心配だけどな?』

流季は笑いながら去って行った。

2人は、なんだかんだで仲がよさそうだ。

『拓也が羨ましいよ。』

『なんでだよ急に。』 

『誰とでも話せるかんじとか、俺は苦手だからさ。』 

『ほんと、ルイは固いよなー。』 

『え?俺も固い??』  

『俺も?』   

『い、いや、俺…』  

俺は、じぶんがやはり前の学校の奴等と
同じ"固い"と言われる分類なのかと
思うとかなり暗い気持ちになった。

『いや、ごめん。ルイは固いというよりは天然かも!気にすんな?』  

拓也は何かが解ったように訂正してくれた。

俺は、ずっとこういう友達がほしかった。
いや、いたかもしれない。

けど、信じれなかった……

『いてっ!』

ルイの鞄につまずいたのは、ヘッドホンをした赤い髪の少年。

『あ、ごめん!』

少年はヘッドホンからの大音量な音楽でルイの声が届いていないようだ。

少年は何も言わず、少し睨んで
一番後ろの席ににいる
薄紫おかっぱジャージ眼鏡の少年と
つり目黒髪ロング少年の二人組の所へ向かった。

『ルイ!ルイ!!』

小声で拓也が呼んでいる。
俺は赤髪少年達3人の迫力に
見とれていたようで
拓也の声で我にかえった。

『な、何?』

少し小声で返す。
拓也もそのまま続けた。

『俺、あいつらだけは話せない。お前も関わらない方がいい。』

そういい残し、俺の肩を2回叩き席に戻った。

先生が入ってきて、皆もぞろぞろと
席に戻りホームルームが始まった。










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