誇り高き
記憶〜参〜
両親が死んで、莵毬も里からいなくなってしまって、暫く経った頃。
そんな時だ。
小十郎が話し掛けてきたのは。
その時はまだ、楠と言う名字はなかった。
『貴女が紅河さんですよね』
その頃の私は、まだ幼かったけれど里では一番強い存在だった。
皆恐れて近付かないし、私も誰かと話したいなんて思わなかった。
だから、いきなり声を掛けてきた小次郎は非常に殊な存在で。
私は警戒して、こっそりと懐の中で刀を抜いた。
そんな私の思いを知らずに、
『僕、小十郎って言うんです。よろしくお願いしますね。紅河さん』
と、にっこりと笑って言ってきた。
私はさらさら誰かと馴れ合う気なんてなかったし、里の者からは相当恨まれていたから、こいつもそういう奴の一人だと思い、無視をした。
それからだ。
彼は毎日私に付きまとった。
どんなに無視を続けても諦めなかった。
私が全身に血を浴びていても、彼は黙って手拭いを差し出してきただけだった。
流石に私も諦めて、好きなようにさせていたのだけど、ある時小十郎がぱたりと来なくなった。
付きまとわれるのが当たり前になっていたから、多少気になりはしたのだけれど、大して深く考えはしなかった。
どうせ、私の事が嫌になったのだろうと。
その翌日、噂で小十郎が瀕死の重症を負っていると聞いた。
何者かに襲われ、道に倒れているのを発見されたらしい。
それから暫くして、更にもう一つの噂がたった。
小十郎を襲ったのは私だと。
更に私は憎悪の目で見られるようになった
今更、どうにも思わなかったけれど。
時折私も襲われたけれど、全員返り討ちにした。
そんな時だ。
小十郎が話し掛けてきたのは。
その時はまだ、楠と言う名字はなかった。
『貴女が紅河さんですよね』
その頃の私は、まだ幼かったけれど里では一番強い存在だった。
皆恐れて近付かないし、私も誰かと話したいなんて思わなかった。
だから、いきなり声を掛けてきた小次郎は非常に殊な存在で。
私は警戒して、こっそりと懐の中で刀を抜いた。
そんな私の思いを知らずに、
『僕、小十郎って言うんです。よろしくお願いしますね。紅河さん』
と、にっこりと笑って言ってきた。
私はさらさら誰かと馴れ合う気なんてなかったし、里の者からは相当恨まれていたから、こいつもそういう奴の一人だと思い、無視をした。
それからだ。
彼は毎日私に付きまとった。
どんなに無視を続けても諦めなかった。
私が全身に血を浴びていても、彼は黙って手拭いを差し出してきただけだった。
流石に私も諦めて、好きなようにさせていたのだけど、ある時小十郎がぱたりと来なくなった。
付きまとわれるのが当たり前になっていたから、多少気になりはしたのだけれど、大して深く考えはしなかった。
どうせ、私の事が嫌になったのだろうと。
その翌日、噂で小十郎が瀕死の重症を負っていると聞いた。
何者かに襲われ、道に倒れているのを発見されたらしい。
それから暫くして、更にもう一つの噂がたった。
小十郎を襲ったのは私だと。
更に私は憎悪の目で見られるようになった
今更、どうにも思わなかったけれど。
時折私も襲われたけれど、全員返り討ちにした。