誇り高き

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線香の煙が真っ直ぐ立ち昇る。

ふわりの香の香りも広がった。

僧侶は墓まで案内するだけでなく、線香もくれたのだ。

「さて」

手を合わせて供え物を置くと紅河は立ち上がる。

墓に背を向けてすたすたと歩き出した。

「………あ」

何かを思い出したように後ろを振り向く。

「私はお前を斬った事を気に止んでなどいない。無用の心配だったな」

これまでにも数多の仲間の命を手にかけている。

左の首から手にかけて描かれている花弁は己が散らした紅の華弁。

それらを決して忘れぬよう、己を戒めるもの。

その数多の中に新たな一枚が加わったくらいで。

気に病むのならばとうに病んでいるだろう




紅河の口に浮かぶのは自嘲の笑み。

あまりにも冷たい我が心への。




あぁ、やはり_______………


今だに心は凍ったままだ。













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