誇り高き
「それより土方さん」
「酷く匂う」
「あ⁈さっき風呂入ったばっかりだ!」
と言いながらも自分の匂いを嗅ぐ土方。
紅河は呆れて、冷たい目を向ける。
「土方の匂いじゃない」
「あはははっ。ははっ……っほ、ごほっごほっ。………もう何言ってるんですか、土方さん」
ごほっごほっとむせるほど笑う沖田。
「ごほっごほっ。ははっ。くくく」
「笑すぎやで?沖田さん」
「いや………だって「沖田。話が進まない」すみません」
「私が匂うと言ったのは長州だ。近々、動くぞ」
相変わらず怠そうな紅河。
「あぁ、わかっている。山崎と話していたのがそれだ」
「そうか。ならばいい。………ただ、今回はいつもと違う気がする」
「そうですね。私もそう思います。何かが大きく変わる。……勘、ですが」
けれど、沖田と紅河の勘は当たる。
人よりも鋭いのだ。
そして、土方は彼よりの勘を何よりも信じている。
「わかった。念入りにやろう」
すぐさま頷いた土方を紅河はまじまじと見た。
そして、ふっと微笑む。
「土方のそういう所は、好きだな」
仲間を無条件に信じるところ。
普通、勘だと言ったら忠告程度にしか受け止めないだろうに。
「………っ/////褒め言葉として受け取っておく」
「当たり前だ」
何を照れているのかわからないが、紅河は元から褒めるつもりで言っている。