誇り高き
私がしてきたことは、正しかったのだろうか。

わからない。

私は未来を見る前に終わってしまう。

例え、私がしてきたことが間違っていたとしても‥‥‥‥‥










先生。




私は、私達はあなたの信念のままに











息絶えた吉田を沖田はじっと見ていた。






おのれ。沖田、新撰組、憎き幕府、この無念一生かけて‥‥‥‥






吉田の最期の言葉が、沖田の頭の中をぐるぐると回る。

もし、私が近藤さんを幕府に殺されたら。

きっと、自分も恨むのだろう。

自分だけではない。

土方さんも井上さんも。

皆、近藤さんに惹かれた人すべて。

もしも、自分達だったら。






この人のようになっていたのだろう。







人の生なんて、あまりにも儚くあやふやだ。








どくん。






一際大きく鼓動が響く。




「あ‥‥‥」

口をおさえた手の指の間から、ぽたぽたと血が漏れる。

がくりと膝が力を失って、沖田は前のめりに倒れた。

______もう、立ち上がる力さえない。

ここで、私は死ぬのだろうか。






近付いてくるいくつかの気配。





「いたぞ、あいつだ!」

「吉田先生の仇っ」

「覚悟っ!」









私が死んだら、皆さんはこうやって仇を取りに来てくれるのでしょうか。






振り下ろされるいくつもの刃。





沖田は、目を閉じた________。
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