誇り高き
部屋に戻った紅河は、敷いたままの布団に倒れこんだ。

「あの程度でこんな様とは、情けないな」

自嘲気味に呟いて、瞳を閉じる。

息こそ乱れてないが、全身が怠かった。

このまま布団に沈んでしまえると思える程に。


まさか、疲れたのか?

私が。

たかが一試合で?

情けないなと、紅河は乾いた笑みを浮かべた。

もう、この体は限界なのだろうか。

やっと、忍の役目から解放されたのに。

‘‘どんなことがあっても、生きなさい”

母上。

月の光に照らされて、優しく微笑む貴女の顔は。


もう、あんなにも遠い________……。
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