誇り高き







でも、もう遅い________。






だから、せめて皆んなの心で生きさせて下さい。








それが、私の希望。






そして、幸せ。






忘れないでいてくれれば、それだけで幸せだから。







命の対価は命。





ごめん。

これが私なりの精一杯。

守るから。

裏切り者と指を指されても守るから。

許してくれなくて、いいから。

忘れないで。










『私にとって、仲間と言う存在は重く、切なくて………何故だか、無性に泣きたくなるのだ』








私の感情を揺さぶるほど、仲間は深いところにいる。

大切だから。

だから、私は。

新撰組を、守る。

そして、兄と共に闇に落ちよう。

どちらも大切。

選ぶなんて出来ない。

でも、彼等は光で私達は闇だから。

相容れない者だから。

この覚悟が揺らがないうちに突き放す。

それが、辛い。

こんなにも辛いだなんて、思わなかった。





____彼等に出逢ったのが、間違いだった?




____いいや。


だって、彼等は私が見たかった夢を見せてくれた。

春の夢。

それは、儚くて心地よい“夢”。

ずっと微睡んでいたい夢。

でも、違う。

違うんだ。

それは、現実じゃない。

わかってる。

私がいる場所はそこじゃない。

正そう。

在るべき道を。

戻ろう。

本当の居場所へ。

最初から歪んでいた。

だから、真っ直ぐ敷いたはずの道も歪んだ

歩んできた道も、今歩んでいる道もすべて











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