誇り高き
謎の忍蜻蛉は、綺麗な女だった。

真っ白の長い髪に、それに負けないほど白い肌。

切れ長の瞳に、薄く真っ赤な唇。

首筋から左の薬指にかけてある不思議な模様。

その全てが魅力的だった。

本当にこんな女が強いのか。

はからずも、その疑問は直ぐに解消された

蜻蛉……紅河自らが山崎と試合をすると言ったのだ。

紅河は隊士になりたいといった。

丁度良い。

山崎で様子を見てみようと思った。

まさかあんなに強いとは思わなくて。

咄嗟に俺は叫んでいた。

やめろ、と。

_______声は届いた。

ぎりぎりで踏みとどまった彼女を見た時、何故かとても安堵した。

一瞬、とても穏やかな顔をした紅河。

胸の奥が疼いた。

思い出すたびに。

激しく疼く。

まさか。

俺が。

恋をしたのか?






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