誇り高き
十分に思い知った。
自分がどれだけ愚かだったか。
それでも、どうしても譲れないものがある。
愚か者と指を指されてもいい。
なんと言われたって構わない。
ただ、己を貫きとおすだけ。
「狂っていやがる」
ククッと喉の奥で高杉が笑う。
「だが、嫌いではないな」
高杉も、桂も、新撰組も。
この言葉を否定できまい。
人の命の重さより、己が新年の重さを取ったのだから。
「いつの時代も、支配するのは残忍なまでに美しい_________狂気だ」
「ああ、違いない」
一千年も前のこと。
この国に、皇が君臨した頃から。
最初から、狂っていた。
「ああ、浅ましいな。人の心というものは_____。どこにいても、変わりはしないね」
風がまた一段と強く吹く。
菁河は帽子を抑え、かの国を見つめた。
「さすが、私の妹。あれが起こす嵐は海さえ飛び越える」
「ミスターセイカ!ミスターセイカ!!」
「そんな大声で呼ばなくても、聞こえているよ」
振り返ると、菁河は苦笑いで肩を竦めた。
「I'm on my way right now.(すぐに行くよ)」