誇り高き
紅河。
再び逢うことは無いと思っていた。
大切な少女。
否。
もう、少女ではなく大人になっていた彼女は。
あの頃のように、明るい微笑みも俺を呼ぶ声もすっかり変わっていて。
これが、本当に紅河かと。
本当の紅河は、こんな皮肉に笑わない。
こんな、冷たい顔をしない。
もっと、暖かくて表情豊かなんだ。
彼女は大人になってしまった。
俺の知らない女になってしまった。
見ていられなくて。
それでも、死んで欲しく無かったから。
必死で頭を下げて。
いつから彼女は、こんなになってしまったのだろう。
何故、生きることを諦めるようになってしまったのだろう。
あの地獄のような村で。
掟に縛り付けられ。
両手を真っ赤に染め。
彼女だけは変わらないで欲しかったのに。
______莵毬と。
読んで欲しいのに。
ただ、それだけなのに。
けれど、それは。
俺が、望んではいけない。
彼女の感情を殺したのは俺だから。
だから、せめて何処かで平和に生きていてくれたらと。
だのに、何故ここに来た。
何故隊士になりたいと言う。
もう、血に染まる必要なんか無いのに。
それすらも、願う事を許されないのか。
彼女の安全を望む事さえ、駄目なのか。
俺は、彼女が生きていると信じていたからここまで来た。
彼女は、俺のたった一つの望みだった。
それさえも失ったら、もう絶望しか残らない。
いっそ、どうせ失うなら。
俺が終止符を打とう。
本気で殺そうとしたのに。
彼女もそれに気付いていたはずなのに。
彼女は_______
『莵毬を傷つけなくてよかった』
莵毬。
そう呼ぶ声は。
今も昔も変わっていなかった。
紅河は、紅河だった。
やっと気付いた。
俺がすることは、彼女の人生に終止符を打つことじゃない。
彼女を守ることだ。
今度こそ命をかけて、守る。
大切な紅の華。
どうか、散らないで。
再び逢うことは無いと思っていた。
大切な少女。
否。
もう、少女ではなく大人になっていた彼女は。
あの頃のように、明るい微笑みも俺を呼ぶ声もすっかり変わっていて。
これが、本当に紅河かと。
本当の紅河は、こんな皮肉に笑わない。
こんな、冷たい顔をしない。
もっと、暖かくて表情豊かなんだ。
彼女は大人になってしまった。
俺の知らない女になってしまった。
見ていられなくて。
それでも、死んで欲しく無かったから。
必死で頭を下げて。
いつから彼女は、こんなになってしまったのだろう。
何故、生きることを諦めるようになってしまったのだろう。
あの地獄のような村で。
掟に縛り付けられ。
両手を真っ赤に染め。
彼女だけは変わらないで欲しかったのに。
______莵毬と。
読んで欲しいのに。
ただ、それだけなのに。
けれど、それは。
俺が、望んではいけない。
彼女の感情を殺したのは俺だから。
だから、せめて何処かで平和に生きていてくれたらと。
だのに、何故ここに来た。
何故隊士になりたいと言う。
もう、血に染まる必要なんか無いのに。
それすらも、願う事を許されないのか。
彼女の安全を望む事さえ、駄目なのか。
俺は、彼女が生きていると信じていたからここまで来た。
彼女は、俺のたった一つの望みだった。
それさえも失ったら、もう絶望しか残らない。
いっそ、どうせ失うなら。
俺が終止符を打とう。
本気で殺そうとしたのに。
彼女もそれに気付いていたはずなのに。
彼女は_______
『莵毬を傷つけなくてよかった』
莵毬。
そう呼ぶ声は。
今も昔も変わっていなかった。
紅河は、紅河だった。
やっと気付いた。
俺がすることは、彼女の人生に終止符を打つことじゃない。
彼女を守ることだ。
今度こそ命をかけて、守る。
大切な紅の華。
どうか、散らないで。