誇り高き
「それはっ………!」
「いずれ、それが命取りになるぞ」
「…………てめぇに言われる筋合いはねぇよ」
土方が鋭く紅河を睨む。
「もうてめぇは仲間じゃねぇ。とっとと失せろ」
「言われなくとも。ここで死ぬ気はない」
その甘さも命取りだ。
だが、私は。
…………お前らのその甘さが。
好きなんだよ。
「行くぞ、久坂」
ほんの僅かな時だったのに。
何故だろう。
ずっと共にいた気がするのは。
「本当、計算違いだ。こんなに、離れがたくなるとはな………」
一人愚痴ると、紅河は何かを振り切るように。
大きく一歩を踏み出した。