誇り高き
紅河は唇を噛み締めて俯く。

分かっていたのだ。

自分の弱点を。

けれども、紅河は其れを認めんことが出来なかった。

自分の弱さを認めなく無かった。

「………確かに、今回は私の傲りが原因です。其れに、自分の弱さを知る良い機会になりました」

時に傲りは命に関わる。

傲りはいわば油断。

忍に油断は許されない。

だからこそ、紅河は己の傲りを認めなくてはいけなかった。

「分かったならええ。もう二度と同じ様なへまはすんなや」

山崎は、手を離すと素早く道具を片付け。

「無茶はするな」

最後に頭を撫で部屋を出て行った。



「何だ。山崎さんが一番心配しているじゃないですか」

ぼそりと呟いた沖田の声は誰にも聞こえなかった。


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