誇り高き

店主を脅して金を取った。

金の請求に来た、呉服屋の女は襲って自分のものにした。

店に火を放った。

肌を許さぬ遊女に断髪をした。



どれも正しいことではなかった。

許されることではなかった。

当然のように恨まれ。

最期は仲間に殺された。



それでも自分は、己のしてきた事に後悔はない。


近藤の将器に惚れ、土方の誠に惹かれ、山南の頭脳を羨み、共に京に残った。

あの日から、儂の窮屈な日々は終わった。




楽しかったんだ。

そう。

だから、後悔なんてしない。

己の思うがままに、進んできたのだがら。


こんなにろくでもない人生を送ってきたのに、最期は仲間が締めてくれた。


なぁ、土方。

お前は勝手に罪悪感に苛まれて。

落ち込んでいるんだろうけどよ。

儂は仲間に葬ってもらえて、幸せなんだぜ

だから_______





しっかりやれよ。





そして、ありがとう………




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